福岡中央労働基準監督署は、運転中の車両系建設機械に接触する危険のある箇所に労働者を立ち入らせたとして、建設業の共栄産業㈱(福岡県福岡市)と同社代表取締役を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで福岡地検に書類送検した。福岡市博多区の8階建てマンション解体工事現場において、同社の労働者がドラグ・ショベルのキャタピラーに左足を轢かれて切断する労働災害が発生している。

 労災は令和3年9月2日に起こった。被災者が同現場でゴミ拾い作業をしていたところ、別の同社労働者がドラグ・ショベルをバッグさせてきた。同労基署によると、被災者は慌てて逃げようとしたが、凹凸の多い現場であったため、途中で引っかかり転んでしまったという。

 同社はバリケードを設置して危険箇所への労働者の立入りを防止する、誘導者を配置する、などの危険防止の措置を講じていなかった疑い。

 災害発生当時、同社はドラグ・ショベルのバケット部分を杭状のブレーカ・ユニットに交換し、コンクリートを粉砕する用途で使用させていた。

バッグしてきたドラグ・ショベルに轢かれ片足切断 労働者を危険箇所に立ち入らせた建設業者送検 福岡中央労基署|送検記事|労働新聞社 (rodo.co.jp)