
フルハーネス特別教育の講師であっても、正しく装着できなかったり、ランヤードフックの取り付け方を誤る理由は「講師に資格要件がなく、知識・経験が不足したまま講師を務めているケースが存在するため」です。これは制度上の構造的な問題であり、現場でも指摘されています。
実際に講師に対する能力向上教育などを行うと、全くできない講師が多くみられますが、どうやって教えているのか心配になります。これでは墜落災害を減らすことはできません。
講師資格が不要 法令上、フルハーネス特別教育の講師には特別な資格は不要で、知識や経験があれば誰でも担当できます。 → 結果として、現場経験が乏しい人が講師になるケースがある。
現場経験の不足 「資格を持っているだけで現場経験が少ない講師では内容が薄くなる」。 → 実技の細かいポイント(ストラップ調整、D環位置、フックの正しい向きなど)が理解できていない。
誤解やミスリードが多い分野 現役講師の指摘として、フルハーネスに関する誤解が非常に多く、講師自身が誤った理解をしている場合もあると報告されています。 → 法改正の趣旨や構造規格の理解不足が原因。
実技教育の質にばらつきがある 特別教育は「学科4.5時間+実技1.5時間」と定められていますが、実技の内容は教習機関により差が大きい。 → 実技が形だけになり、講師自身が十分に習熟していないまま教えることがある。
具体的に起きやすい講師のミス
肩ベルト・腿ベルトの締め付け不足
D環の位置が高すぎる/低すぎる
ランヤードフックのゲート方向を誤る
アンカーの選定基準を誤解している
旧規格と新規格の違いを説明できない
これらはすべて、現場での実体験がないと理解しにくいポイントです。
背景にある制度上の問題
講師の要件が「知識・経験があること」としか規定されていない → 実務経験の年数や実技試験などの基準がない。
講師養成講習は任意 中災防や建災防の講師養成講座は存在するが、受講義務はない。
企業内講習では社内の安全担当者が急遽講師になることも多い → 実技の質が低下しやすい。
まとめ(最重要ポイント)
講師が正しく装着できない最大の理由は、講師に資格要件がなく、現場経験や実技スキルが不足したまま講師を務めているケースが制度上許容されているためです。
その結果、受講者より講師の方が装着が不正確になるという逆転現象が起きています。
講師があてにならないのなら「自分自身で」学んでいかないとダメだということになります。
























