安全衛生教育研究所出張講習010








1. 肺でのガス交換(酸素の取り込み)

  • ヘム鉄の活躍: 肺呼吸によって取り込まれた酸素は、血液中の赤血球の中にある「ヘモグロビン」というタンパク質と結びつきます。このヘモグロビンの中心にあるのが「ヘム鉄」です。鉄が酸素と結びついて赤くなる(鉄が酸化して赤錆びになるのと同じような原理)ため、動脈血は鮮やかな赤色をしています。

2. 全身の組織でのガス交換

  • 酸素の放出: 全身の細胞(筋肉や臓器など)にたどり着くと、周囲の酸素が少なく二酸化炭素が多い環境に反応して、ヘモグロビンは抱え込んでいた酸素を切り離し、細胞にプレゼントします。

  • 二酸化炭素の回収: それと同時に、細胞が活動して出たゴミである「二酸化炭素(炭酸ガス)」を回収し、再び肺へと向かいます。

補足:二酸化炭素は「ヘム鉄」には乗らない?

ここが非常に面白いところなのですが、実は二酸化炭素は酸素のように「ヘム鉄」の特等席には座りません。二酸化炭素は主に以下のルートで肺まで運ばれます。

  1. 重炭酸イオンに姿を変える(約70〜80%): これが先ほど解説した「クロライド・シフト」の正体です。赤血球の中に入った二酸化炭素は水と反応してイオンの姿に変わり、血液に溶け込んで肺まで運ばれます。

  2. ヘモグロビンの「タンパク質部分」に結びつく(約10〜20%): ヘム鉄(鉄分)ではなく、周りのグロビン(タンパク質)の部分にくっついて運ばれます。

  3. 血液の水分(血漿)にそのまま溶け込む(約5〜10%):

    炭酸水のように、そのまま血液に溶けて運ばれます。

つまり、「酸素は赤血球のヘム鉄が運び、二酸化炭素は赤血球の働きでイオン化(重炭酸イオン)して運ばれる」というのが、より正確なメカニズムになります。

※汗を大量にかくとナトリウム等不足になりますが、上記も関連があります。