労働安全衛生規則の改正にともない、消防署などの地方公務員(一般職)の職場においても、「皮膚等障害化学物質」への直接接触防止対策が義務化されています。
消防署では、車両・資機材の整備、庁舎の維持管理、特定の化学物質災害(CBRN災害など)への対応において対象物質を扱うケースがあり、民間企業と同様の具体的な対策が求められます。
消防署の実務に即した具体的な対策ステップは、以下の4点に集約されます。
1. 対象物質の特定(化学物質の洗い出し)
消防署内で使用している全ての化学製品(油脂類、有機溶剤、洗浄剤、塗料、バッテリー液など)の「SDS(安全データシート)」を入手・確認します。
- GHS分類において「皮膚腐食性・刺激性」「眼に対する重篤な損傷性・眼刺激性」「呼吸器・皮膚感作性」のいずれかで区分1に該当するもの、または国が指定する「皮膚吸収性有害物質」が含まれているかをチェックします。
2. 「保護具着用管理責任者」の選任
皮膚等障害化学物質を扱う署(事業場)ごとに、対策の責任者として「保護具着用管理責任者」の選任が義務づけられています。
- 消防署での役割: 整備担当の職員や安全衛生係などから適任者を選び、適切な保護具の選定、職員への着用指導、保護具の管理(劣化チェックなど)を行わせます。
3. 「不浸透性」保護具の選択と着用
対象物質を扱う作業(例:浸透潤滑剤を使った資機材整備、有機溶剤による部品洗浄、強酸・強アルカリを伴うバッテリー液の補充など)の際、直接皮膚に触れないための「不浸透性」の保護具を着用させることが義務です。
- 手袋の素材選定: 化学物質ごとに透過しにくい素材(ニトリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなど)が異なるため、厚生労働省の「保護具の選定マニュアル」等に基づき、使用する化学物質に対して「◎」や耐透過性能の高い素材を選定します。一般的な軍手や、耐薬品性のない作業用手袋は認められません。
- その他の保護具: 必要に応じて、不浸透性の保護衣、保護眼鏡、履物などを使用させます。
4. 運用ルールの策定と衛生委員会での調査審議
これらの対策を適切に行うため、以下の組織的な運用が必要です。
- 各消防本部で定める「安全衛生管理規程」等に、化学物質管理や保護具の着用ルールを明文化します。
- 毎月開催される安全衛生委員会(衛生委員会)の議題として、皮膚等障害化学物質の自律的管理の実施状況を付議し、調査・審議を行います。






















