あまり気にする人がいないようですが、建設業の土木現場において、重機・車両の燃料である「軽油」や、可動部に使用する「グリース(鉱物油系)」は、いずれも皮膚等障害化学物質対策の対象(皮膚・眼への刺激性、または経皮吸収による有害性あり)となります。
土木現場における具体的な防止対策は、以下のステップで進めます。
1. 管理体制の整備
現場ごとに以下の体制を整え、書類を整備します。
- SDS(安全データシート)の備え付け: 元請け・下請けに関わらず、現場に持ち込む軽油やグリースのSDSを入手し、作業員がいつでも見られる場所に保管します。
- 保護具着用管理責任者の選任: 現場の安全衛生責任者や職長などから選任し、適切な保護具の選定や着用指導を行わせます。
2. 「不浸透性」保護具(手袋)の選定と着用
軽油やグリースは有機溶剤や油分を含んでいるため、一般的な軍手や革手袋、安価な使い捨てPVC(塩化ビニル)手袋では成分が浸透してしまいます。必ず以下の「不浸透性(耐油性・耐薬品性)」の手袋を着用させます。
- 軽油の給油・メンテナンス時:
- ニトリルゴム(NBR)製の手袋: 軽油(炭化水素系)に対して高い耐油性・耐透過性を持っています。
- フッ素ゴム製の手袋: より高価格ですが、耐薬品性が非常に高く、長時間の浸透を防ぎます。
- グリースの塗布・充填(グリスガン使用)時:
- 厚手の耐油ニトリル手袋、または耐油性ビニル手袋(裏地付き): グリースは粘度が高いため機械的摩耗も考慮し、破れにくい厚手タイプや裏地付きの耐油手袋が適しています。
3. 具体的な作業別対策
- 重機への給油作業(軽油)
- 給油ガンを握る際、跳ね返りや液だれが手にかからないようニトリル手袋を着用。
- 万が一の飛散に備え、保護眼鏡(ゴーグル)の着用を推奨。
- グリスアップ(注油)作業
- グリスガンのノズル脱着や、はみ出たグリースの拭き取り時に手が汚れるため、作業開始から終了まで耐油手袋を常時着用。
- ウエスの適切な処理
- 軽油やグリースを拭き取ったウエスを素手で触らないよう注意し、フタ付きの専用廃棄容器に回収します。
4. 衛生指導と緊急時対応
- 手洗いとスキンケア: 作業後は、鉱物油専用の工業用ハンドソープ(スクラブ入りなど)で速やかに手を洗い、油分を落とした後はハンドクリーム等で皮膚を保護します。
- 作業着の管理: 軽油やグリースが大量に染み込んだ作業着をそのまま着用し続けると、皮膚から成分が吸収(経皮吸収)されます。汚れた場合は速やかに着替えさせます。






















